PROJECT

2023.01.08

志ムービー『G20 RESPONSIBLE MOVIE』プロジェクト

最初の映像は「志」をカタチにする取り組みだった

今やすっかり身近になった映像。本を読むように、いつでもどこでも映像に触れることができるし、動画や映像での記録や伝達が以前にも増して重視されるようになりました。わずか数年のことで誰もが映像を作れるようになるなんて、本当に驚きです。

Youtubeが広がり始めて、Tictokがまだこの世になかった2015年に、私は一件の相談を受けました。

「私がイメージしているビジョンや志を映像化したい」

この頃の当社で取り組んでいた映像はまだ、広告代理店や映像会社さんと巨額な予算で周年映像を作るのが主流で、実験的にパソコンで作った映像をCM化してもらったりしたことはあっても、映像そのものが特別な「規格」に乗せないと配信できないものだったのです。それがYoutubeの登場で誰でも配信しやすくなったわけです。画期的な変化で、いずれ一般からビジネスユースに変化するのも時間の問題でした。

相談してくださった経営者さんとは、漫画で経営理念を社員やパートさんに伝えるシリーズを展開させていただいてました。理念漫画シリーズは得意分野で、上場会社の社内報でシリーズ化して賞をとったのを皮切りに、理念やビジョンの漫画を展開していました。そんなことを伝えてもいないのに、この経営者さんは「漫画で理念を伝えられるかな」と依頼されてこられたのですが、今回はそれを映像化するというご相談に、最初は戸惑いました。まず巨額な、どころか予算がほとんど無い。そして世の中は、映像の大衆化の黎明期。これは自分で作る以外にない。そんなところから、自社で作る映像をまだ早い時期に切り開いていただくきっかけになったのですが、あくまでも「志」の映像であるというところが、一歩を踏み出させてくれたのだと思っています。

「志」を真ん中にした仕事をする

今では「パーパス」という逆輸入用語で重視されるようになりましたが、私が雑誌から企業パブリシティの編集者になって以来、「志」は仕事の真ん中にありました。「志」を共にし、形にすることが、仕事のミッションの根底であり、機根でもあるといえます。

なぜ「志」が大切なのか。簡単に言ってしまえば、それが「生きる」ということだと思うからです。

現代の人は外発的な理由で行動しがちです。お腹が空いたからとか、手が勝手に動いてとか、昔の人は自分の身体や心が欲することで何かを生み出していたのだと思うのですが、今、私たちの身の回りには常に新しい情報や製品やサービスがたくさんあって、試してみたい、行ってみたい、使ってみたいと思うことがたくさんあります。好奇心は大事だし、どんどん「してみたい」はやるべきだし、たくさんの経験や知識を得ることができる私たちは昔の人よりもはるかにたくさんの情報を持ち、経験もできる幸せに恵まれています。でも、今、私たちは昔の人以上に何かを生み出しているでしょうか。何かを経験してみて「違うな」と思っても、また怒涛のような「NEW」に出会って、自分で生み出さなくても、与えられることを探すだけで時間制限いっぱい。外発的なコト・モノ探しで満たされようとずっと動き続けて、働き続けて、気がつけば人が作ったものを消費するだけの一生を過ごしてしまうかもしれません。

人が生きることとは、想像することであり、創造することにあるんじゃないかと私は思っています。ここをちょっと綺麗にしたい、そこを少し楽しくしたい、こういうふうに工夫すれば喜んでもらえるかも、気持ちいいかも、そんな内発的に想像し、創造できる小さなことが大切で、そういうことができる人が、あそこに街をつくれば、ここに道があれば、と大きなことまで想像し、創造できるようになって企業というものに集まっているのだと思います。

だから、「志」を真ん中にしない仕事は、誰にとってもありえないことだし、無意識にしているかもしれない、言葉にできていないかもしれない、そのことを気づきあい、共有しあっていきたいと思っているのです。

「RESPONSIVE MOVIE」で志を共有する

RESPONSIBILITYという言葉は、日本語で「責任」と訳されます。この言葉はRESPONSIVE(応答)が語源です。志というのは、人と人の霊機・応機というはたらきあいであり、応答が大切だと思っています。志が絵に書いた餅ではなく、心の奥底から出てきたものならばそこには言霊というような霊が宿っていて、言葉を超えて人の心を揺さぶり、揺さぶられた人がまた応じて機(はたらき)を行う。そういう志の輪が広がり、みんなが霊レベルで、良心で動いていることを映像にしていき、世の中に応答の和を広げていきたいという思いを込めて名付けました。RESPONSIBLE MOVIEのイメージ写真につがいの鶴を使っているのは、鶴の声が「美しい声」の代表であると同時に、つがいの鶴が「和」をあらわしているからです。鶴は、日本の国鳥にもなっているのですから、日本人が率先して鶴の声を発し、大和魂(こころ)という大きな和を広げて、世界にも必ずおられる霊にも発していただいて響き合っていきたいと思っています。

このプロジェクトは、2019年に大阪で開かれたG20を契機に、国レベルの応答を企業レベル、人間レベルの応答にしていきたいとスタートしました。翌年には新型コロナウイルスのパンデミックにより、活動を進めることが難しくなりました。しかし、ウイルスが世界に広まっているなかで、皆の志の事業や行動も退縮を余儀なくされてしまいました。このプロジェクトは、一時だけのプロジェクトではなく、永続し、世の中の良心を開き続けるインフラになりたいと思っています。私たちのプロジェクトから、多くのクリエイターたち、学生たちのプロジェクトへとなんとか広げていく方法を模索し続けながら、RESPONSIBLE MOVIEを送り出していきたいと思います。ご賛同いただけましたら、お気軽にお問い合わせ、ご連絡いただければ幸いです。

https://video-production.cmsgale.com/